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マーケティングといえば、皆さんはどんな方法が思い浮かびますか?
データ分析、競合の調査、市場のニーズ調査、アンケートなどなど…
こういった定量データを使って、どれくらいの人にどんな需要があるのかを探るのも重要ですが、一方で新しいマーケティング手法として注目されているのが感性マーケティングです。
今回は感性マーケティングの可能性について、プランナーの具体的な体験・経験にもとづく持論をお伺いしました。
お話を伺ったのは…Yosshiさん
エムエスグループのおばちゃんプランナー。
ワンコの肉球の間の毛をそっと触ってぞわぞわさせるのが好き。
アメリカのイエローストーン国立公園のオオカミたちを見るのが夢。
ちゃんおか:
感性マーケティングってどういうものですか?どんな方に有効だと思われますか?
Yosshi:
現在、さまざまな研究で、視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚、いわゆる「五感」について、男女間で違いがあることがわかってきています。
(もちろん、個人差もあるので一概に言い切れないのですが)個人的には、女性のもつ想像力や共感力は、「五感」に訴える【感性マーケティング】と非常に親和性が高いと考えています。
これは『女性マーケティング』のポイントでもあるのですが、ひとの【キモチ、心情】は、モノ・コトの合理性や機能性だけを優先させるものではありません。
特に現在、あらゆる価値観に変化をもたらしているコロナ禍においては、数値だけで測れないものに響くのでは、と感じています。
ひととのリアルなつながり、実感が欲されている今だからこそ特に、想像力や共感力をゆさぶる「五感」に訴えることは、何らかのメディア越しであっても有効な手段ではないでしょうか。
ちゃんおか:
たしかに、機能性や合理性の高いものばかりを選んでいるとココロが疲れてしまうような感覚は私自身もあります。
逆に、良い方向性で五感を刺激されると一気に幸せな気持ちになったりもしますね!
ちゃんおか:
Yosshiさんもご自身の経験のなかで、五感への刺激が購買行動につながった例はありますか?
Yosshi:
個人的に多いのは、リアル五感の中で、嗅覚への刺激、「におい、香り」ですね。
ベタですがパンやコーヒー。おいしそうな香りにつられて、ついお店へ…(笑)。
パンの香ばしい香りは、焼き立てを楽しむ幸福感に、挽きたてのコーヒーの香りは、ほっとする心地よさを満たしてくれます。
皆さんは、ある「特定の香り」をかぐと何かの思い出がよみがえった経験はありませんか?
私にとっては、金木犀がそれ。学生時代、部活の早朝練習のために自転車を走らせたシーンを思い出すのです。
だから、コロンなどフレグランス系の商品で金木犀があると、何だかうれしくなって買ってしまいます。
これは、五感の中でも嗅覚だけが、記憶をつかさどる海馬という脳の部位に直接信号を送ることができるから。
香りと思い出が結びつくのは、脳の仕組みと関係があるのですね。
ちゃんおか:
なるほど!良い香りについつい商品に手が伸びること、私もあります。
Yosshi:
五感を活かすプロモーションとして挑戦したいのは、香りの活用です。
具体的には「うなぎの蒲焼き」の匂いを活用すること。
食品カタログやメニュー表から蒲焼きの匂いがしてきたら食べたくなりません?
実は香料としては既に開発されており、なんと入浴剤になっています。
お風呂で自分が蒲焼きになった気分を味わう体験にはさほど惹かれませんが(笑)、「つい食べたくなる」香りプロモーション、面白そうです。
ちゃんおか:
入浴剤は想定外でした!
香りプロモーション、紙面をこすると香りがするカードは香水のプロモーションとかで見たことがあります。うなぎの蒲焼きでも実現できる日が来るかも…夢がありますね!
ちゃんおか:
では、Yosshiさんが消費者に五感を伝える上で、大切にされていることはありますか?
特に平面の世界では五感を伝えるのは難しさもあると思いますが…
Yosshi:
食品カタログやチラシなどの紙媒体では、「視覚」がすべて。やはり、リアルな五感を伝えるのはなかなか難しい。
ですが制約のある中でも、私がそれを伝える際にポイントだと考えている3点を紹介しますね。
Yosshi:
たとえばチーズフォンデュを例にとりましょう。
チーズを野菜にからめたイメージ画像に「とろ~り」のコピー。もちもち、つるっ、…オノマトペは、長々と情報を語るよりも、数文字で紙面を見る生活者に多くのことを伝えられるからです。
「食感(聴覚・触覚)」を伝える「やわらかさ・硬さ、弾力・サクサク感、温冷」表現から、その商品に一番適した、かつ美味しさを想起させるものを選びます。
ただ普遍的に思われがちなオノマトペも、トレンドとして印象が変わる側面もあるので、今、どんな食べ物が人気なのか等の情報収集はするようにしています。
Yosshi:
「甘さ・辛さ、酸っぱさ、旨みやコク・風味」の感じ方は、非常に個人差が大きいのでとても難しいです。
この場合は、まず実際に食べた人の感想をベースにどう表現するかを考えます。
そこで気をつけたいのは「チーズフォンデュが好きでいつも食べている人」の声なのか、「チーズは苦手な人」の声なのか、です。
誰にどう食べてもらうかというプロモーションの方向に関わってくるためです。もちろんまず自分で食べてみることも前提ですね。
Yosshi:
いくらオノマトペが大切だと言っても、「とろ~り」の言葉だけでは効果的な訴求にはなりません。
シズル感ある画像とコピーの組み合わせ、そしてデザインの掛け算がベースとなります。
具体的には、プランナーが「こうしたい、こう見せたい」という狙いを、撮影するカメラマン・コーディネーター・デザイナーに伝え、「とろ~り」を一層感じさせる画像や、フォント選び・あしらいをコンテンツとして仕上げていく。
それをチームとしてカタチにできることが、何より私たちエムエスグループの強みです。
ちゃんおか:
Yosshiさんが今までご担当された案件において、五感に訴えかけることを意識したことで成功した事例はありますか?
Yosshi:
あるお客様のところで、台湾カステラをイメージした新商品が出ることになりました。
ブームになった「台湾カステラ」ですが、流行りものは、すべての方が喫食経験があるとはいえません。
お客様と紙面作りを打ち合わせる中で「台湾カステラ」という名前に頼るのではなく、この商品の一番の特徴である“食感”をイメージしやすく伝えようということに。
そこでコピーは「しっとりふわふわ、スフレのよう」としました。
しっとりふわふわ、はありきたりですが、「スフレ」のしゅわふわ感を想起させることにしたのです。
商品のきめ細かな生地をイメージ画像のアップで見せるビジュアルとからめ、計画の4倍を超える売り上げにつながりました。
ちゃんおか:
食感にフォーカスすることで、ターゲットをまだ食べたことがない人にシフトすることができたんですね。
ビジュアルイメージとの連携も視覚×味覚×触覚(食感)の相乗効果が発揮されていますね!
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特に女性たちに対して絶大な効果を発揮する感性マーケティング。
主に女性消費者をメインターゲットとし、女性プランナーが多く所属するきかんしエムエスグループでは、ターゲットの共感を集めることができる感性マーケティングを得意としています。
従来の定量マーケティングに感性マーケティング視点をプラスすることで、新たな顧客獲得につながるかもしれません。
ご興味がある方は、ぜひ一度お問い合わせください。